生前贈与のメリット・デメリット|相続税対策になる?注意点と非課税枠を解説

生前贈与のメリット・デメリットを解説。年間110万円の非課税枠の使い方、相続税対策としての効果、2024年改正の影響、暦年贈与と相続時精算課税の違いまで紹介します。

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生前贈与って相続税対策になるって聞いたけど、本当?デメリットもあるの?

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年間110万円まで非課税で渡せるメリットがある一方、2024年改正の影響もあります。両面を理解してから判断しましょう。

この記事を書いた人

終活ガイド編集部

  • 老人ホーム・相続・家族信託・遺品整理・終活ジャンルの調査50件以上
  • 司法書士・弁護士への取材をもとに執筆
  • 公式情報確認日:2026年5月28日

【最短回答】生前贈与のメリット・デメリットは?

生前贈与の最大のメリットは「相続財産を減らして相続税を節税できること」です。 ただし、やり方を間違えると贈与税がかかったり、相続時に加算されたりするリスクもあります。

  • メリット → 年間110万円まで非課税、相続財産を確実に減らせる、渡したい人に渡せる
  • デメリット → 贈与税がかかる場合がある、2024年改正で相続加算期間が延長、やりすぎると老後資金が不足
  • 注意点 → 贈与の証拠を残さないと税務署に否認される可能性あり

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生前贈与とは?わかりやすく解説

生前贈与(せいぜんぞうよ)とは、生きている間に自分の財産を家族や他の人に無償で渡すことです。法律上は「贈与契約」にあたり、あげる側ともらう側の合意があれば成立します。

「相続」は亡くなった後に財産が移る仕組みですが、「生前贈与」は元気なうちに自分の意思で財産を移せるのが大きな違いです。

生前贈与には主に2つの制度があります。

制度名非課税枠特徴
暦年贈与(れきねんぞうよ)年間110万円毎年110万円まで非課税。誰にでも使える
相続時精算課税制度累計2,500万円まとめて贈与できるが、相続時に精算される

用語解説: 「暦年」とは1月1日〜12月31日の1年間のこと。暦年贈与は、この1年間で110万円までなら贈与税がかからない制度です。


生前贈与の5つのメリット

メリット1: 年間110万円まで非課税で渡せる

暦年贈与の基礎控除は年間110万円です。この範囲内であれば、贈与税はかかりません。

たとえば、子ども2人に毎年110万円ずつ贈与すれば、年間220万円を非課税で移転できます。10年間続ければ2,200万円。これだけでも相続財産を大幅に減らせます。

メリット2: 相続税の節税になる

相続税は「亡くなった時点の財産額」に対してかかります。生前贈与で財産を減らしておけば、その分だけ相続税も減ります。

特に相続税の税率は財産額が大きいほど高くなる(累進課税)ため、財産が多い方ほど生前贈与の節税効果は大きくなります。

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メリット3: 渡したい人に確実に渡せる

相続では「法定相続分」があるため、自分が望む通りに財産を分けられないこともあります。生前贈与なら、渡したい人に、渡したいタイミングで、渡したい金額を確実に渡せます。

「孫の教育費に使ってほしい」「長男には不動産を、次男には現金を」など、自分の意思を反映しやすいのがメリットです。

メリット4: 家族の必要なタイミングで支援できる

子どもの住宅購入、孫の入学、結婚など、家族がお金を必要とするタイミングで援助できます。相続まで待っていたら、その時にはもう必要のないお金になってしまうかもしれません。

メリット5: 相続トラブルの予防になる

生前に財産を分けておけば、相続時に「誰がいくらもらうか」で揉めるリスクを減らせます。特に不動産のような「分けにくい財産」は、生前に整理しておくと相続がスムーズです。


生前贈与の5つのデメリット・注意点

メリットだけ見ると「すぐに贈与した方がいい」と思いがちですが、注意すべき点もあります。私が相談を受けた中でも、デメリットを知らずに進めて後悔する方がいらっしゃいました。

デメリット1: 110万円を超えると贈与税がかかる

年間110万円の基礎控除を超えた分には贈与税がかかります。贈与税の税率は相続税よりも高いケースがあるため、「節税のつもりが逆に税金が増えた」ということにもなりかねません。

贈与額(110万円控除後)税率控除額
200万円以下10%なし
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円

※直系尊属(親・祖父母)から18歳以上の子・孫への「特例贈与」の場合の税率表

デメリット2: 2024年改正で「相続前7年間の贈与」が加算対象に

2024年1月の税制改正により、暦年贈与の「持ち戻し期間」が3年から7年に延長されました。

つまり、相続開始前7年以内に行った暦年贈与は、相続財産に加算されて相続税の対象になるということです。「亡くなる直前に慌てて贈与する」という方法は効果が薄くなりました。

注意: この改正は2024年1月1日以降の贈与から段階的に適用されます。2030年までは経過措置があり、加算期間が段階的に延びていきます。

デメリット3: 老後資金が不足するリスク

節税を意識するあまり贈与しすぎると、自分の老後資金が足りなくなることがあります。介護が必要になった場合の費用(月15〜35万円程度)も考慮して、無理のない範囲で行いましょう。

デメリット4: 証拠を残さないと税務署に否認される

「名義預金」(親が子の名義で口座を作り、実質的に親が管理しているお金)は、税務署に生前贈与と認められない場合があります。

贈与の証拠として残すべきもの:

  • 贈与契約書(毎年作成する)
  • 銀行振込の記録(手渡しは避ける)
  • もらった側が自由に使える状態にしておく

デメリット5: 不動産の贈与は税金が高くつくことがある

不動産を生前贈与すると、贈与税に加えて「不動産取得税」と「登録免許税」がかかります。相続であればこれらの税金が軽減されるため、不動産は相続で渡した方がお得なケースが多いです。

項目生前贈与の場合相続の場合
贈与税/相続税高い(税率10〜55%)低い(基礎控除あり)
不動産取得税かかる(3〜4%)非課税
登録免許税2%0.4%

暦年贈与と相続時精算課税制度の違い

生前贈与には「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の2つがあります。どちらを選ぶかで税金の計算方法が大きく変わるため、違いを理解しておくことが重要です。

2つの制度の比較

項目暦年贈与相続時精算課税制度
非課税枠年間110万円累計2,500万円(+年間110万円の基礎控除※)
超えた分の税率10〜55%(累進課税)一律20%
相続時の加算相続前7年分が加算される贈与額が相続財産に加算(ただし基礎控除分は除く※)
届け出不要(110万円以下の場合)税務署への届出が必要
取り消しいつでも暦年贈与に戻れる一度選択すると暦年贈与に戻れない
適用条件誰でも利用可能60歳以上の親・祖父母 → 18歳以上の子・孫

※2024年改正により、相続時精算課税制度にも年間110万円の基礎控除が新設されました。

どちらを選ぶべき?

  • 財産が少〜中程度で、長期間コツコツ贈与できる → 暦年贈与
  • まとまった財産を一度に贈与したい → 相続時精算課税制度
  • 高齢で相続までの期間が短い → 相続時精算課税制度(年間110万円の基礎控除が使える)

最終的な判断は個別の状況によって異なります。必ず税理士などの専門家に相談してから進めましょう。


生前贈与の手続き方法|4つのステップ

生前贈与の基本的な手続きは、以下の4ステップです。

ステップ1: 贈与する金額と相手を決める

年間110万円の非課税枠を考慮し、誰にいくら贈与するかを計画します。

ステップ2: 贈与契約書を作成する

口約束でも法律上は有効ですが、税務署対策として贈与契約書は必ず作成しましょう。以下の内容を記載します。

  • 贈与者(あげる人)の氏名・住所
  • 受贈者(もらう人)の氏名・住所
  • 贈与する財産の内容
  • 贈与する日付
  • 双方の署名・押印

ステップ3: 銀行振込で贈与する

現金手渡しは証拠が残りにくいため、必ず銀行振込で行いましょう。振込記録が証拠になります。

ステップ4: 確定申告する(110万円を超えた場合)

年間110万円を超えた贈与を受けた場合、翌年の2月1日〜3月15日に贈与税の確定申告が必要です。110万円以下なら申告は不要です。

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生前贈与と相続、どちらが得?

「生前贈与と相続、結局どちらが得なの?」という疑問は多くの方が持っています。結論から言えば、財産の種類と金額によって異なります。

生前贈与が有利なケース

  • 財産が多く、相続税の税率が高くなる方
  • 現金・預貯金を少しずつ渡したい方
  • 子どもの住宅購入や教育費など、今すぐ支援したい方

相続のまま残す方が有利なケース

  • 不動産が中心の財産構成の方
  • 相続税がかからない範囲の財産の方(基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人の数)
  • 自分の老後資金に不安がある方

大事なポイント: 生前贈与は「やった方がいい」「やらない方がいい」の二択ではありません。「何を・いくら・誰に・いつ」贈与するかによって、結果は大きく変わります。自己判断で進めず、税理士に相談することを強くおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

Q. 生前贈与に年齢制限はありますか?

暦年贈与に年齢制限はありません。 何歳からでも贈与できます。ただし、相続時精算課税制度を使う場合は「贈与する側が60歳以上、受け取る側が18歳以上」の条件があります。

Q. 生前贈与は何年前から始めれば効果的ですか?

2024年改正後は、最低でも7年以上前から始めるのが理想です。 相続前7年以内の暦年贈与は相続財産に加算されるため、早く始めるほど節税効果が高くなります。

Q. 孫への生前贈与はメリットがありますか?

はい、大きなメリットがあります。 孫は原則として相続人にならないため、暦年贈与の「持ち戻し」(相続前7年分の加算)の対象外です。ただし、遺贈や養子縁組で相続人になっている場合は加算対象になります。

Q. 生前贈与を専門家に相談すべきケースは?

財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合は、税理士への相談を強くおすすめします。 不動産の贈与、相続時精算課税制度の選択、事業承継に関わる贈与なども専門家に相談した方が安心です。

Q. 夫婦間の生前贈与にメリットはありますか?

居住用不動産の贈与であれば「おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)」が使えます。 婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産やその購入資金を贈与する場合、最大2,000万円の控除が受けられます。基礎控除110万円と合わせて2,110万円まで非課税です。


まとめ|生前贈与は「計画的に」が鉄則

生前贈与は相続税の節税に有効な手段ですが、2024年の税制改正で注意点も増えました。

生前贈与を成功させるポイント:

  1. できるだけ早く始める(7年の持ち戻し期間を考慮)
  2. 年間110万円の非課税枠を活用する
  3. 贈与契約書と振込記録を残す
  4. 自分の老後資金は確保しておく
  5. 不動産は相続の方が有利な場合が多い

最も大切なこと: 生前贈与は個別の状況によって最適な方法が大きく異なります。自己判断で進めず、必ず税理士などの専門家に相談してから実行してください。

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