グループホームの費用はいくら?認知症の親の施設選びガイド
グループホームの費用を内訳つきで解説。初期費用・月額12〜20万円の内訳、入居条件、1日の流れ、他施設との費用比較、見学時のチェックポイントまで紹介します。
認知症の親をグループホームに入れたいけど、費用はいくらかかるの?うちでも払える?
月額12〜20万円が目安です。費用の内訳や軽減制度もあるので、一つずつ確認していきましょう。
【最短回答】グループホームの費用はいくら?
グループホームの費用は、初期費用0〜数百万円、月額12〜20万円が目安です。 認知症の方が5〜9人で共同生活を送る施設で、介護保険の「地域密着型サービス」に該当します。住民票のある市区町村の施設にのみ入居できます。
- 初期費用 → 0〜数百万円(入居一時金・保証金など。0円の施設も多い)
- 月額費用 → 12〜20万円(家賃・食費・介護保険自己負担・日常生活費込み)
- 入居条件 → 要支援2以上・認知症の診断あり・同一市区町村に住民票
※ 費用は施設・地域・介護度によって異なります。正確な費用は施設に直接お問い合わせください。
グループホームとは?特徴をわかりやすく解説
グループホームは、認知症と診断された方が少人数(5〜9人を1ユニット)で共同生活を送る介護施設です。正式名称は「認知症対応型共同生活介護」。介護保険制度の中の「地域密着型サービス」に位置づけられています。
厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」によると、全国のグループホーム数は約14,000カ所以上(2023年時点)。利用者数は約20万人に達しており、認知症ケアの主要な受け皿となっています。
グループホームの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 認知症対応型共同生活介護 |
| 入居対象 | 要支援2〜要介護5で認知症と診断された方 |
| 定員 | 1ユニット5〜9人(最大3ユニットまで) |
| 運営主体 | 民間企業・社会福祉法人・医療法人・NPO等 |
| サービス分類 | 地域密着型サービス |
| 居住地制限 | 住民票のある市区町村の施設のみ入居可能 |
一般的な老人ホームとの最大の違いは、「生活リハビリ」を重視している点です。入居者はスタッフの見守りのもと、料理・洗濯・掃除などの日常生活を自分でできる範囲で行います。この「自分でやる」ことが脳への刺激となり、認知症の進行を穏やかにする効果が期待されています。
グループホームの費用内訳
グループホームの費用は「初期費用」と「月額費用」の2つに分かれます。それぞれの内訳を詳しく見ていきましょう。
初期費用の内訳
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 入居一時金 | 0〜数百万円 | 施設により大きく異なる。0円の施設も多い |
| 保証金・敷金 | 0〜30万円 | 退去時の原状回復費用に充当 |
初期費用0円の施設も増えていますが、その場合は月額費用がやや高めに設定されていることがあります。総額で比較することが大切です。
月額費用の内訳
| 費用項目 | 金額の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 家賃(居住費) | 5〜8万円 | 個室の利用料。地域による差が大きい |
| 食費 | 3〜4.5万円 | 1日3食+おやつ代 |
| 介護保険自己負担 | 1〜3万円 | 介護度による。1割負担の場合 |
| 水道光熱費 | 1〜2万円 | 施設による |
| 日常生活費 | 0.5〜2万円 | おむつ代・理美容代・レクリエーション費等 |
| 月額合計 | 12〜20万円 | 地域・介護度・施設のグレードによる |
介護度別の介護保険自己負担額(1割負担の場合)
| 介護度 | 1日あたり | 月額の目安(30日) |
|---|---|---|
| 要支援2 | 760円 | 約22,800円 |
| 要介護1 | 764円 | 約22,920円 |
| 要介護2 | 800円 | 約24,000円 |
| 要介護3 | 823円 | 約24,690円 |
| 要介護4 | 840円 | 約25,200円 |
| 要介護5 | 858円 | 約25,740円 |
注意: 上記は1割負担の場合の目安です。所得によって2割・3割負担になる方もいます。また、加算(認知症加算・看取り加算など)が付く場合は上乗せされます。
費用を軽減する制度
グループホームでも利用できる費用軽減制度があります。
| 制度名 | 内容 |
|---|---|
| 高額介護サービス費 | 月の自己負担が上限を超えた場合に払い戻し |
| 社会福祉法人等利用者負担軽減制度 | 低所得者向け。食費・居住費が25%軽減 |
| 介護保険料の減免 | 低所得者向け。自治体に申請 |
※ 利用できる制度は個人の所得や世帯状況によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。
グループホームの入居条件
グループホームには、他の介護施設にはない独自の入居条件があります。入居を検討する前に、以下の3つの条件を満たしているか確認しましょう。
入居に必要な3つの条件
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 1. 要介護認定 | 要支援2以上の認定を受けていること(要支援1は不可) |
| 2. 認知症の診断 | 医師による認知症の診断があること |
| 3. 住民票 | 施設と同じ市区町村に住民票があること |
3つ目の「住民票」の条件は、グループホームが「地域密着型サービス」であることに由来します。つまり、隣の市のグループホームに入りたいと思っても、原則として入れません。
ただし例外もあります。一部の自治体では、他の自治体との協議によって住民票の要件を緩和しているケースがあります。希望する施設がある場合は、まず施設に直接問い合わせてみてください。
入居までの一般的な流れ
- ケアマネジャーに相談 → 地域のグループホームの情報を教えてもらう
- 施設見学 → 2〜3カ所を比較するのが理想
- 体験入居 → 1〜7日間。対応している施設は積極的に利用
- 申し込み → 必要書類(診断書・介護保険証等)を提出
- 面談・判定 → 施設スタッフとの面談。入居判定会議で可否を決定
- 契約・入居 → 重要事項説明を受けて契約
申し込みから入居まで、空きがあれば2週間〜1ヶ月程度。待機が発生する場合は数ヶ月かかることもあります。
グループホームの1日の流れ
グループホームでは、入居者が家庭に近い環境で生活を送れるよう、ゆるやかなスケジュールで過ごします。施設によって多少の違いはありますが、一般的な1日の流れは以下の通りです。
グループホームの1日のスケジュール例
| 時間 | 活動内容 |
|---|---|
| 7:00 | 起床・着替え・洗面(スタッフが必要に応じて介助) |
| 8:00 | 朝食(入居者と一緒に配膳・片付け) |
| 9:00 | 健康チェック(バイタル測定)・掃除・洗濯 |
| 10:00 | レクリエーション・散歩・体操 |
| 12:00 | 昼食(入居者が調理に参加することも) |
| 14:00 | おやつ・趣味活動(書道・園芸・手芸など) |
| 15:00 | 入浴(週2〜3回。個別にスケジュール) |
| 17:00 | 夕食の準備(買い物リスト作り・野菜の皮むきなど) |
| 18:00 | 夕食 |
| 20:00 | 就寝準備・自由時間 |
| 21:00 | 消灯(夜間もスタッフが見守り) |
ポイントは、「何もかもスタッフがやる」のではなく、「できることは自分でする」環境であること。 料理の下ごしらえ、洗濯物をたたむ、食器を洗うなど、日常の動作が「生活リハビリ」として位置づけられています。
私が見学に行った施設では、入居者の方が楽しそうに一緒に餃子を包んでいる光景を見かけました。こうした「役割がある生活」が、認知症の方の心の安定につながっているのだと実感しました。
グループホームのメリット5つ
グループホームには、認知症の方に適した独自のメリットがあります。
メリット1:少人数で家庭的な環境
1ユニット5〜9人の少人数制で、大規模施設にありがちな「施設感」が薄いのが特徴です。入居者同士やスタッフとの距離が近く、名前で呼び合うアットホームな雰囲気の施設が多いです。
メリット2:認知症ケアに特化している
スタッフは認知症ケアの研修を受けており、一般の介護施設よりも認知症への理解が深いです。徘徊への対応や、不穏時の声かけなど、認知症の方に合わせた関わり方を実践しています。
メリット3:生活リハビリで認知機能を維持
料理・掃除・洗濯などの日常動作を「できる範囲で自分で行う」ことが、脳への刺激となり、認知症の進行を穏やかにする効果が期待されています。
メリット4:地域との交流がある
地域密着型サービスであるため、地域のお祭りに参加したり、近所の子どもたちが遊びに来たりと、社会との接点が保たれやすいのもメリットです。
メリット5:費用が有料老人ホームより抑えめ
介護付き有料老人ホーム(月額15〜35万円)と比較すると、グループホーム(月額12〜20万円)は費用が抑えめです。ただし特養(月額5〜15万円)よりは高くなります。
グループホームのデメリット4つ
メリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。入居後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、しっかり把握しておきましょう。
デメリット1:医療体制に限界がある
グループホームには医師や看護師の常駐義務がありません(一部の施設は配置していますが、義務ではない)。そのため、日常的に医療的ケア(たんの吸引、インスリン注射、経管栄養など)が必要な方は、入居が難しいケースがあります。
体調が急変した場合は、提携医療機関への搬送や入院となり、長期入院が必要になると退去を求められることもあります。
デメリット2:看取り対応の施設が少ない
グループホームで最期まで過ごしたいと考えていても、看取り対応をしている施設はまだ少数派です。厚生労働省の調査によると、グループホームでの看取り実施率は約30〜40%程度にとどまっています。入居時に「看取り対応が可能か」を確認しておくことが大切です。
デメリット3:同一市区町村の制限
グループホームは住民票のある市区町村の施設にしか入居できません。子世代が住む都市部の近くに移りたいと思っても、親の住民票が地方にあれば、その地域のグループホームしか選べません。
ただし、住民票を移してから入居申し込みをすることは可能です。引っ越しの手間はかかりますが、選択肢を広げる方法の一つです。
デメリット4:待機が発生する場合がある
少人数制であるため空きが少なく、人気のある施設では数ヶ月の待機が発生することもあります。特に都市部では競争率が高い傾向にあります。
対策: 希望する施設が複数ある場合は、同時に複数カ所に申し込みましょう。また、ケアマネジャーに空き状況を定期的に確認してもらうのも有効です。
他の施設との費用比較表
グループホームを検討する際、他の介護施設との費用の違いが気になる方は多いでしょう。以下の表で主要な4つの施設タイプと費用を比較しました。
施設タイプ別の費用比較
| 比較項目 | グループホーム | 特養 | 介護付き有料老人ホーム | サ高住 |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0〜数百万円 | なし | 0〜数百万円 | 敷金程度 |
| 月額費用 | 12〜20万円 | 5〜15万円 | 15〜35万円 | 10〜25万円 |
| 対象者 | 認知症+要支援2〜 | 要介護3以上 | 自立〜要介護5 | 自立〜軽度要介護 |
| 医療体制 | 限定的 | 看護師日中配置 | 充実 | 限定的 |
| 居室タイプ | 個室 | 多床室or個室 | 個室 | 個室 |
| 入居の待ち | やや長い | 長い | 短い | 短い |
| 認知症ケア | 専門的 | 対応はするが専門ではない | 施設による | 対応は限定的 |
どの施設を選ぶべきか?判断のポイント
| こんな場合は… | おすすめの施設 |
|---|---|
| 認知症で、少人数の家庭的な環境がいい | グループホーム |
| 費用を最も抑えたい(要介護3以上) | 特養 |
| 医療ケアが必要 or すぐ入居したい | 介護付き有料老人ホーム |
| まだ自立度が高く、見守り程度でいい | サ高住 |
「認知症の親にはグループホームが絶対にいい」というわけではありません。医療的ケアの必要性や本人の性格(少人数が合うか、大人数が合うか)、家族のアクセスのしやすさなど、総合的に判断することが大切です。迷ったらケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。
見学時のチェックポイント
グループホームは施設ごとに雰囲気やケアの質に差があります。入居前に必ず見学し、以下のポイントを確認してください。
見学で確認すべき10項目
| チェック項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 1. 入居者の表情 | 穏やかに過ごしているか。不安そうな表情はないか |
| 2. スタッフの対応 | 笑顔で声かけしているか。急かしたり怒ったりしていないか |
| 3. スタッフの人数 | 入居者に対してスタッフが十分にいるか |
| 4. 清潔さ | トイレ・居室・共用部分に異臭はないか |
| 5. 食事の内容 | 試食ができるか。季節の食材を使っているか |
| 6. レクリエーション | どんな活動を行っているか。入居者が参加しているか |
| 7. 夜間体制 | 夜間のスタッフ配置は何人か。緊急時の対応は |
| 8. 医療連携 | 提携医療機関はどこか。通院・訪問診療の体制は |
| 9. 看取り対応 | 最期まで施設で過ごせるか |
| 10. 退去条件 | どのような場合に退去を求められるか |
見学時のコツ
- できれば食事時間帯に訪問する(食事の様子とスタッフの対応が同時に見られる)
- 2〜3カ所は比較する(1カ所だけでは良し悪しがわからない)
- 平日の日中がおすすめ(管理者やケアマネジャーと話しやすい)
- 質問リストを事前に準備する(当日は緊張して聞き忘れがち)
正直な話、見学に行くだけで体力も気力も使います。でも、ここで手を抜くと、入居してから「やっぱり合わなかった」と後悔するリスクが高くなります。大切な親御さんのためにも、面倒でも2〜3カ所は足を運んでください。
よくある質問(FAQ)
Q. グループホームの費用は介護保険で全額まかなえますか?
A. いいえ、全額はまかなえません。介護保険が適用されるのは「介護サービス費」の部分のみで、自己負担は1〜3割です。家賃・食費・日常生活費は全額自己負担となります。月額12〜20万円のうち、介護保険がカバーするのは2〜3万円程度です。
Q. グループホームに入れる認知症の程度は?
A. 軽度から中等度の認知症の方が中心です。重度の認知症で暴力行為が見られる場合や、24時間の医療的ケアが必要な場合は、入居が難しいことがあります。具体的な受け入れ基準は施設によって異なるので、直接お問い合わせください。
Q. グループホームから特養に移ることはできますか?
A. はい、可能です。グループホームで生活しながら特養に申し込み、空きが出たら移るという方は少なくありません。ただし、本人の意思や生活環境の変化を考慮し、ケアマネジャーと相談して判断することをおすすめします。
Q. 夫婦でグループホームに入居できますか?
A. 同じ施設に入居できるケースもありますが、グループホームは1ユニット5〜9人と少人数のため、同時に2名分の空きがないことも多いです。夫婦での入居を希望する場合は、早めに施設に相談しましょう。
Q. グループホームの入居待ちの間はどうすればいいですか?
A. 在宅介護を続けながらデイサービスやショートステイを利用するのが一般的です。介護者の負担を軽減しつつ、空きを待つことができます。複数の施設に同時に申し込むことも可能なので、ケアマネジャーに相談してみてください。
まとめ
グループホームは、認知症の方が少人数で家庭的な環境のなかで暮らせる、専門的な介護施設です。
- 費用は月額12〜20万円。初期費用は0〜数百万円(0円の施設も多い)
- 入居条件は3つ:要支援2以上、認知症の診断、同一市区町村の住民票
- 最大のメリットは認知症ケアに特化していること。生活リハビリで認知機能の維持が期待できる
- 注意点は医療体制の限界。日常的な医療ケアが必要な方は事前に確認が必要
- 見学は必ず2〜3カ所を比較。入居者の表情とスタッフの対応をチェック
認知症の親の施設選びは、ご家族にとって大きな決断です。焦って決める必要はありません。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら、親御さんに合った施設をじっくり探してください。
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